これに対し、ホテル開発予定地で地域住民の反対の声が上がっている。8階建てホテルの建設が予定されている新川に、5年前に家を建てた秦健次さん
(39)は「自然が豊かで、静かな場所に家を造ったのに、ホテルができれば環境がガラリと変わる。住民の意見を聞いて、計画を変更してほしい」と訴える。
石垣市も自然の景観を残し、乱開発を防ぐことを目的に、6月から施行されている「景観法」に基づく開発規制を視野に入れ、職員の研修などを行っている。
景観法は、地域の自然や歴史、文化などと、住民の生活、経済活動の調和した土地利用を図る国内初の「景観」に関する法律。バブル期の全国で起きた乱開発
問題を教訓として策定され、国土交通省が地域に合った景観づくりを支援する。同市の小濱致辰都市建設部長は「自然環境を考慮に入れた開発が大切。建設地域
だけではなく、石垣市全体の問題」として、同法の有効利用を目指している。
一方で、開発申請を行っているある業者は「過去に住民がリゾートホテルの誘致に動いた経緯もある」と指摘。「景観が崩れるというが、ハワイなど観光で成
り立っているところは高層ホテルが海岸沿いに建設されている。石垣島は年々観光客が増えているので、収容する施設も必要ではないか」と大型ホテルの必要性
を訴えた。
(8/27 11:36)