○石垣市景観形成条例
平成3年12月20日
条例第35号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第14条第1項の規定に基づき、石垣市のすぐれた 自然景観を保全し、又は景観を創造するとともに、大規模建築物等と地域の景観との調和を図るため、建築物等の届出に関して必要な事項を定め、もつて景観形 成を図り、現在及び将来の市民の暮らしにうるおいと安らぎを確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 「景観形成」とは、すぐれた自然景観を保全し、又は景観を創造することをいう。
(2) 「建築物等」とは、建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定するものをいう。以下同じ。)及び工作物(同法第88条第1項に規定するものをいう。以下同じ。)のほか、規則で定めるものをいう。
(3) 「大規模建築物等」とは、建築物で高さが13メートルを超え、又は建築面積が500平方 メートルを超えるもの及び工作物で高さが13メートル(当該工作物が建築物等と一体となつて設置される場合にあつては、その高さが8メートルを超え、か つ、当該建築物等の高さの合計が13メートル)を超え、又はその敷地の用に供する土地の面積が500平方メートルを超えるものをいう。
(4) 「屋外広告物」とは、屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定するものをいう。
(市の責務)
第3条 市は、景観が形成されるようこの条例の趣旨の徹底を図り、適切な施策の遂行に努めるものとする。
(市民及び事業者の責務)
第4条 市民及び事業者は、自らがまちづくりの主体であることを認識し、景観の形成に努めるとともに、市が実施する景観形成の施策に協力しなければならない。
2 市民及び事業者は、建築物等、大規模建築物等の新築、増築、改築、移転、大規模な修繕若しくは模様替又は外観の色彩の変更を行おうとするときは、景観の形成に配慮しなければならない。
3 市民及び事業者は、屋外広告物を表示し、又は屋外広告物を掲出する物件を設置しようとするときは、景観の形成に配慮しなければならない。
(審議会の設置及び所掌事務)
第5条 地方自治法第138条の4の規定に基づき、本市に石垣市景観形成審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、景観の形成に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
第2章 景観形成施策
(景観形成指針)
第6条 市は、自然景観の保全及び創造、大規模建築物等と地域の景観との調和を図るため、景観形成指針を定めるものとする。
2 市長は、景観形成指針を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を求めなければならない。
3 市長は、景観形成指針を定めたときは、これを告示しなければならない。
(景観整備計画の策定)
第7条 市長は、景観の形成を総合的かつ計画的に進めるため、基本的方向を明らかにした景観整備計画を策定するものとする。
2 市長は、景観整備計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を求めなければならない。
3 市長は、景観整備計画を策定し、又は変更したときは、これを告示しなければならない。
(先導的役割)
第8条 市長は、道路、公園その他公共施設の整備、建築物の建築等を行うときは、景観形成指針及び景観整備計画との整合を図るとともに、景観の形成に先導的役割を果たすよう努めなければならない。
(啓発)
第9条 市長は、市民及び事業者が景観の形成に寄与することができるよう景観の形成に関する意識の高揚と知識の普及を図らなければならない。
(国等への要請)
第10条 市長は、景観の形成について必要があると認めるときは、国又は地方公共団体その他規則で定める法人(以下「国等」という。)に対して協力を要請することができる。
第3章 景観形成地域
(景観形成地域)
第11条 市長は、次の各号のいずれかに該当する地域を、景観形成地域として指定することができる。
(1) すぐれた自然景観を有する地域
(2) 赤瓦葺き家屋、石垣、屋敷林など伝統的な集落景観を有する地域
(3) 主要道路沿線で、景観形成が必要な地域
(4) その他市長が指定の必要を認める地域
2 市長は、景観形成地域を指定するときは、あらかじめ当該地域の市民及び審議会の意見を求めなければならない。
3 市長は、景観形成地域を指定したときは、これを告示しなければならない。
4 前2項の規定は、景観形成地域を変更する場合に準用する。
(景観形成基準)
第12条 市長は、景観形成地域を指定したときは、当該地域の景観形成基準を定めるものとする。
2 景観形成基準は、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 当該景観形成地域における景観形成のための方針に関する事項
(2) 道路、公園その他公共施設に係る景観の形成に関する事項
(3) 建築物等の敷地内の位置、規模、意匠及び色彩
(4) 屋外広告物の位置、規模、意匠及び色彩
(5) 敷地の緑化
(6) その他市長が必要と認める事項
3 前条第2項及び第3項の規定は、景観形成基準を定め、又は変更しようとする場合において準用する。
(行為の届出)
第13条 景観形成地域において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。
(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転、大規模な修繕若しくは模様替又は外観の色彩の変更
(2) 屋外広告物の表示、移転若しくは表示内容の変更又は屋外広告物の掲出する物件の設置、移転若しくは意匠の変更
(3) 敷地内の樹木で高さ5メートルを超えるものの伐採
(4) その他景観の形成に影響を及ぼすおそれのある行為
(適用除外)
第14条 前条の規定は、次の各号に掲げる行為については適用しない。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で、規則で定める行為
(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(3) 国等が行う行為
(4) 景観形成地域が指定された際、当該地域において既に着手している行為
(景観形成基準の適合)
第15条 景観形成地域内において、第13条各号に該当する行為をしようとする者は、当該地域の景観形成基準に適合するよう努めなければならない。
(指導又は勧告)
第16条 市長は、第13条の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る行為が当該地域の景観形成基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告をすることができる。
(諸制度の活用)
第17条 市長は、景観形成地域内において、景観の形成を図るため、建築基準法及び都市計画法(昭和43年法律第100号)等に基づく諸制度の活用に努めるものとする。
第4章 大規模建築物等
(大規模建築物等の新築等の届出)
第18条 大規模建築物の新築、増築、改築、移転、大規模な修繕若しくは模様替又は外観の色彩の変更を行おうとする者は、あらかじめ市長に届け出なければならない。
2 前項の規定は、国等が行う行為については適用しない。
(大規模建築物等に係る指導、勧告)
第19条 市長は、前条第1項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る行為が景観形成指針及び景観整備計画に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告することができる。
2 市長は、前項の規定により指導し、又は勧告する場合において、別に規則で定める石垣市開発審査会の意見を求めることができる。
(樹木の伐採)
第20条 森林法(昭和26年法律第249号)第5条に規定する地域森林計画区域以外の区域において高さ10 メートル、又は推定樹齢100年を超える樹木の伐採をしようとする者は、あらかじめ市長に届け出なければならない。ただし、規則で定める範囲のものについ ては、この限りでない。
第5章 景観協定
(景観協定)
第21条 市民は、相互に協力して景観形成を進めるため、その所有し、若しくは管理する土地又は建築物等について、一定の区域を定め、その区域における景観形成に関する協定を締結することができる。
2 前項に規定する協定には、次の各号に掲げる事項で必要なものを定めるものとする。
(1) 協定の名称、目的及び対象となる土地の区域に関する事項
(2) 建築物等の敷地の位置、規模、意匠及び色彩に関する事項
(3) 屋外広告物の位置、規模、意匠及び色彩に関する事項
(4) 敷地の緑化に関する事項
(5) 協定の有効期間に関する事項
(6) 協定の変更又は廃止の手続に関する事項
(7) その他当該区域の景観形成に関する事項
(協定の認定)
第22条 前条の規定による景観協定を締結した市民の代表者は、これを市長に提出し、当該協定の認定を受けることができる。
2 市長は、前項の認定申請があつた場合において、当該協定が景観形成に資するもので、景観形成指針及び景観整備計画に適合すると認めるときは、当該協定を景観協定として認定するものとする。
3 市長は、前項の規定により認定をしようとするときは、景観審議会の意見を求めなければならない。
第6章 表彰、助成等
(表彰)
第23条 市長は、景観の形成に寄与した者について、次の各号に該当する者を表彰することができる。
(1) 景観の形成に著しく寄与したと認められる者
(2) 景観の形成に寄与したと認められる建築物等の所有者、設計者、施工者
(3) その他市長が必要と認める者
(市民又は団体に対する助成)
第24条 市長は、次の各号に掲げる市民又は団体に対し、技術的援助を行い、若しくは予算の範囲内においてその行為及び活動に要する経費の一部を助成することができる。
(1) 景観形成地域内において、すぐれた景観の形成に寄与すると認められる行為をしようとする市民又は団体
(2) 第21条に規定する景観協定を締結した団体
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める行為をしようとする市民
第7章 雑則
(委任)
第25条 この条例に関して必要な事項は、規則で定める。
附 則
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
2 この条例の施行前においてなされた建築基準法の規定に基づく建築確認申請は、この条例の規定に基づき申請されたものとみなす。
(平成4年規則第10号で平成4年4月15日から施行)