造礁サンゴの敵、オニヒトデ (Acanthaster planci)
は腕の先端から先端までの直径が最大で約60cmまでなるが、通常は30‐40cmである。 1個体のメスヒトデから1000万のオーダーで細胞の直径約 0.2mmの卵が放出される。 その後は石灰藻を食べ、腕の数を増やしながら生長し、熱帯海域の温度では約半年間で直径8mmまで生長して腕の数もこのヒトデとして
標準の14‐18本となる。この頃から腕と体盤の上の棘が伸び始め、サンゴを食べるようになる。 満1年で径数センチ、満2年で約 20cmとなって性成熟し始め、3年目以降数年間は毎年繁殖を繰り返し、6‐7年で生理的な寿命を迎えると見られている。 |
オニヒトデの初期発生
A: 未受精卵、 B: 受精卵、 C: 2細胞期 D: 8細胞期 E: 32細胞期 F: 桑実胚 G: 嚢胚初期 H: 胞胚初期(陥入、孵化期) I: 胞胚(浮遊初期) |
オニヒトデの幼生期
A: ビピンナリア幼生(初期)、 B: ビピンナリア幼生、 C: ブラキオラリア幼生 |
付着変態直後のオニヒトデ
A:
変態直後の稚ヒトデ(背面)、 B: 同左(腹面)、 |
石灰藻食期のオニヒトデ
A: ピンクの石灰藻の上の8腕期の稚ヒトデ(白いパッチは消化された石灰藻)、 |
オニヒトデが腕の数を増やすパターン
オ ニヒトデの新しい腕は常にその前に出来た2本の腕の間に出芽する。ただし、最初に出来る 6番目の腕(F)は、体盤の上に見られるmadreporite(穿孔板)の反対側(中心から対極側)の腕をAとして反口(背満面)側から見て反時計回り にB,C,D,Eとした時にBとCの間に生じる。2番目の腕はFとB(多数派)またはFとC(少数派)の間のどちらかであった。 |
サンゴ食になる稚オニヒトデ
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