八重山毎日新聞
2003年 6月12日(木) 

ヘリで不法投棄チェック

初のスカイパトロール

平久保半島 多数の漂着ごみ

 八重山福祉保健所と石垣市、八重山警察署の担当者合わせて6人が石垣航空基地のヘリで上空からごみの不法投棄をチェックする初のスカイパトロールが11 日午前、石垣島上空で行われた。産業廃棄物などの不法投棄を監視する県下一斉パトロールが同日行われたのに合わせたもので、約10カ所で廃車の不法投棄を 確認したほか、海岸沿いの漂着ごみの状況を調べた。

 同基地側が監視活動への協力を申し出て行われたもの。関係機関では今後、今回得られた情報を元に、不法投棄の防止に向けた取り組みを 強化する。
 スカイパトロールは2回に分けて行われ、3人1組となった担当者が1時間ずつ飛んだ。
 廃車の放置状況は、すでに情報が寄せられている場所を中心にチェックしていったところ、約10カ所で違法に放置されている可能性が高いことが分かった。
 海岸線では、平久保半島の東側で特に漂着ごみが多いことが分かった。担当者らは「内陸側から海に出る道がない海岸で多くの漂着ごみがみられるが、片付け るのは難しい」などと話していた。

上空からのスカイパトロールで確認された海岸の漂着ごみ(平久保半島東側)



県下一斉に合同パトロール

廃車40台見つかる

放置業者の特定へ

宮良底田地区
 
 

 不法投棄を監視する県下一斉パトロールが11日午後、石垣市内で行われ、八重山福祉保健所と八重山警察署、石垣海上保安部、石垣市、 県産廃協会八重山支部から合わせて10人が参加し、4カ所を回った。関係機関が年2回、定期的に合同パトロールを行い、産廃の不法投棄を防止していく目 的。
 このうち、40台ほどの廃車が放置されている宮良底田地区の民有地では、ナンバープレートや車台番号、車内に残されていた書類などをチェックし、廃車を 放置した業者などの特定を急ぐことになった。
 前回(今年2月)のパトロールでも調査を行った平得大俣地区の雑木林の中では、前回よりも一般廃棄物のごみが増えていることが分かり、対策の難しさが浮 き彫りになった。
 八重山福祉保健所では「地主に無断でごみが捨てられた場合、捨てた人が特定できなければ、地主の責任でごみを処分しなければならなくなるので、土地を しっかりと管理することも重要だ」(生活環境課)と話していた。



上空から石垣島の海岸線を眺めてみると、漂着ごみのある場所とない場 所がくっきりと分かれていることが分かる。潮流の具合でそうなるらしいのだが、問題は人が海岸線を利用しにくいところにたまった漂着ごみ。陸側からアプ ローチすることは難しいし、かといって、海側からごみを運び出すには手間暇がかかりすぎる。黒潮が運び込むごみの山をどうするのか。八重山の美しい海岸線 を守るのは、難しい。