八重山毎日新聞
2004年 7月31日(土) 

 重要保全区域を選定へ
オニヒトデ駆除で対策会議
カナラグチ周辺は“大発生”

 第五回八重山地区オニヒトデ対策連絡会議が三十日夜、環境省の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開かれ、漁業者やダイビング 業者、研究者、行政の担当者など三十人余りが出席した。これまでの駆除作業で検討した結果、オニヒトデが増加傾向にあるとの認識で一致した。同協議会は近 く第六回会合を開き、大発生時に集中的に保全する重要保全区域を選定する。
 この日の会合では、五月下旬から六月上旬の十二日間に行ったモニタリング調査の結果について報告があった。それによると、石垣島南側のカナラグチ周辺で は、より広範に多量のオニヒトデが生息していることが分かった。
 このため、報告では「従来の規模の保全対策では、オニヒトデの全域的な増加を抑えることは極めて困難と思われる」との認識が示された。
 出席者からは「カナラグチは大発生の状況だとといってもおかしくない。大発生という総意で対策を取り、重要保全区域を絞り込んでおく必要がある」との提 案があった。
 このため、これまで実施してきたモニタリング調査を継続・拡大するとともに、大発生の状態だと判断された場合には、重要保全区域を集中的に保全していく 方向性を確認した。
 漁業者からは、カナラグチのほかに、竹富島南と竹富島南西側にある「マルグー」の保全を重視するよう求める意見が出た。
 二十九、三十の二日間、水中ロボットを使って撮影したデジタルビデオカメラの映像も公開され、出席者は、竹富島南の水深十六メートル付近に生息するオニ ヒトデの映像などを見た。

 
水中ロボットカメラで撮影したデジタルビデオカメラの映像を 見ながら、オニヒトデ対策を検討した第5回八重山地区オニヒトデ対策連絡会議