八重山毎日新聞
2003年 7月 5日(土) 

石西礁湖内は個体密度高い

オニヒトデ対策連絡会議

4月までに1447匹駆除

対策会議の設置必要

 第2回八重山地区オニヒトデ対策連絡会議が、4日午後6時から国際サンゴ礁研究モニタリングセンターで開かれた。オニヒトデは、今年 2月から4月にかけ、八重山漁協や八重山ダイビング協会が石西礁湖で実施したモニタリング調査で、石西礁湖内に個体密度の高い海域があることが判明。そこ を中心に1447匹が駆除された。この結果を受け、今回の連絡会議では、環境省が「発生を防ぐための予防的駆除を行う海域と大発生した場合に最終的に保護 すべき海域」を定め、モニタリングと駆除を実施する基本方針を示したほか、今後、県のオニヒトデ対策会議に代表を送ることを確認した。

 同センターが漁協やダイビング協会などの協力を得て、今年1月から4月末までに行ったオニヒトデのモニタリング調査・駆除の結果、計 1447匹を駆除した。
 内訳は▽マルグー周辺551匹(38.1%)▽竹富島南374匹(25.8%)▽名蔵湾179匹(12.4%)▽ユイサーグチ周辺163匹 (11.3%)▽黒島北東沖106匹(7.3%)▽その他75匹(5.2%)−となっている。
 今回の会議では、八重山漁協、同センター、八重山ダイビング協会がモニタリング調査や駆除結果について報告。これをもとに今後の対策について意見を交換 した。
 環境省では、今後のオニヒトデ対策の方針に沿い、現段階で個体密度の高い▽マルグー周辺▽竹富島南▽ユイサーグチ▽黒島北東沖▽名蔵湾−を「予防的駆除 を実施すべき海域」として選定。オニヒトデを石西礁湖内で増加させないために予防的駆除を実施。
 同地域周辺を含め定期的にモニタリング調査を行い、大発生した場合の最終防衛線として駆除する考えが示された。
 また、県からは昨年7月に「オニヒトデ対策会議」を設置し、関係行政機関や学識経験者、ダイビング業者、漁協などの関係団体で効果的なオニヒトデ対策に ついて検討していることを報告。
 参加者間からも「八重山でも対策会議を設置し、その意見を持って参加すべきだ」「最終的に守るべき所を決める合意機関があった方がよい」など、八重山地 区での対策会議設置を望む意見が出された。
 また、県の対策会議に八重山から代表を送ることを参加者全員で確認した。
 環境省ではモニタリング調査の再開について、できるだけ早い時期に漁協やダイビング協会の協力を得て行いたい考え。