八重山毎日新聞
2003年 6月13日(金) 

オニヒトデ1227匹を駆除

ダイビング協駆除まとめ

石西礁湖の主要4地域

来月にも対策会議

関係機関の連携強化必要



 八重山ダイビング協会(宮里安昌会長)は、環境省や八重山漁協とともに実施してきたオニヒトデの駆除状況についてまとめた。それによると、1月17日か ら6月5日までに駆除した1603個体のうち、石西礁湖内の主要な4地域を合わせた駆除数は1227個体(76.5%)となった。環境省では来月、対策会 議を開き、これまでのモニタリング調査結果や今回の駆除結果をもとに関係機関の連携について話し合う考え。

 同協会のまとめによると、石西礁湖内の主要な4地域では▽ユイサーグチ(竹富島の南東側)=118個体▽竹富南(竹富島の南)= 475個体▽マルグー(竹富、黒島、小浜の真ん中)=566個体▽新里航路(黒島の北側)=68個体−の駆除を行った。
 同協会では「この4地域がオニヒトデの進入口となっている可能性が大きく、ここで食い止めれば大発生の防止は可能」(佐伯信雄環境対策委員)とみて、関 係機関に対策を求めている。
 宮里会長と佐伯委員は12日午前、八重山支庁に駆除の状況を説明し、同支庁は「行政機関の連絡組織で官民一体の対策について話し合う必要がある。石垣市 や竹富町の考えを聞きながら、横の連携を図りたい」(通事安憲総務観光振興課長)との考えを示した。

八重山ダイビング協会がまとめたオニヒトデ駆除の状況(佐伯信雄環境対策委員作成)


<オニヒトデ駆除に連携を>

オニヒトデの被害に対する懸念は漁民の間でも強 い。せっかく漁場まで行ったのに、そこにいたオニヒトデを見過ごすわけには行かず、駆除に専念。結局、魚を捕れず、オニヒトデ駆除のボランティアに1日を 費やしてしまったというケースも。すでに漁業活動に影響が出ているといえそうだ。関係機関の連携と対策強化に期待が集まっている。