八重山毎日新聞
2003年 1月24日(金) 

局所的な大量発生の段階

国際サンゴ礁センター

緊急オニヒトデ調査結果を分析

繁殖期控え、きょう連絡会議

 環境省国際サンゴ礁研究モニタリングセンターは22日、17日に八重山ダイビング協会(宮里安昌会長)と合同で行った緊急オニヒトデ 調査の結果を分析して発表した。同センターはこのなかで、調査を行った竹富島沖のリーフについて、一部で「局所的な大量発生の段階に達していることが推測 される」として、関係機関が協力して駆除体制を構築していく必要性を強調した。
 今回の調査結果を踏まえ、24日に開かれる八重山地区オニヒトデ連絡会議では、環境や水産、海洋レジャーなどの機関や団体が今後の対策について意見交換 する。
 調査結果によると、竹富島沖の石西礁湖の一部、8.25ヘクタールのリーフからオニヒトデ171匹を駆除し、密度は1ヘクタール当たり21匹だった。
 同センターではこれについて、オーストラリアのグレートバリアリーフが、1ヘクタール当たり10−30匹の密度の場合には、局所的な大量発生や高密度オ ニヒトデ集団の存在を示唆するものとしていることを参照しながら、「局所的大量発生の段階に達していることが推測される」とした。
 また、駆除された171匹のうち、167匹の大きさを調べたところ、繁殖が可能だとみられる大きさの20センチを超えていた。
 同センターによると、オニヒトデの繁殖期は八重山では5月下旬から6月中旬といわれる。このため、調査報告は「繁殖期以前にできるだけ多くの個体を駆除 することで、来年以降の大量発生を防げる可能性がある」と述べ、早急に駆除体制を構築する必要性を強調した。
 24日の連絡会議には、八重山漁協と同協会、日本ウミガメ協議会八重山海中公園研究所、WWFジャパンサンゴ礁保護研究センター、県と3市町が参加す る。

17日の緊急オニヒトデ調査で駆除されたオニヒトデ


17日の駆除作業で捕獲されたオニヒトデのほとん どが、生殖可能なほどに成長していることが分かった。環境省国際サンゴ礁研究モニタリングセンターは「局所的な大量発生の段階に達していることが推測され る」として、駆除に向けた体制づくりを早急に構築していきたい考え。オニヒトデ対策は、1つの機関や1つの団体だけで行っても効果を上げるのは難しいとい われている。24日の八重山地区オニヒトデ連絡会議は、参加する機関や団体が知恵を出し合う場となりそうだ。