八重山毎日新聞
2003年 1月18日(土) 

オニヒトデ

竹富島沖で171匹駆除

ダイビング協会とサンゴ礁センター

大発生の恐れで緊急調査

効率的な対策確立へ

 サンゴを食害するオニヒトデが石西礁湖など八重山周辺の海域で大発生する恐れが出ていることから、環境省国際サンゴ礁研究モニタリン グセンターと八重山ダイビング協会(宮里安昌会長)は17日、竹富島沖で緊急オニヒトデ調査を行い、171匹を駆除した。調査・駆除には22人が参加。 80年代に終息した大発生以降、大がかりな調査・駆除が行われるのは初めて。同センターでは20日までに、このうちの165匹の大きさなどを詳しく調べて 生息状況を分析するほか、24日には同協会のダイバーや漁業者らと今後の対策について意見交換する。

 同協会では「異常発生の兆しが出てきている。異常発生を防げるかどうかは、オニヒトデの産卵期となる六月までに手を打てるかどうかに かかっている」として、同センターや漁業者と連携しながら、効率的な駆除策を模索していく考え。
 オニヒトデの大発生については、同センターが昨年10−12月に目撃情報の提供を呼び掛けたところ、石西礁湖などで急速に分布が広がっていることが分 かっている。
 同協会によると、今月12日には竹富島の南約1キロの海域にあるダイビング・ポイント、通称・ミルキーウエイ周辺にある卓上のエダミドリイシで、オニヒ トデが食べたばかりの痕跡がこれまでより多く見付かった。
 このため、同センターと同協会は緊急調査を実施することになった。
 この日の調査には同協会のダイバー20人と同センターの職員2人の合わせて22人が参加した。ダイビングボート4隻に分かれてミルキーウエイ周辺を調査 した結果、水深5−10メートルの海域を中心に171匹を捕獲した。
 同協会によると、ミルキーウエイ周辺は80年代に終息した大発生時には比較的遅い時期に被害に遭った海域。今回は、ほかの海域より早い時期に食害が目 立っていることから、被害の発生の仕方が変化しているという。

環境省国際サンゴ礁研究モニタリングセンターと八重山ダイビング協会の調査・駆除に よって引き揚げられたオニヒトデ


<オニヒトデ大発生に危機感>

17日に行われたオニヒトデの調査・駆除活動で は、わずか2時間で171匹のオニヒトデが捕獲され、大発生の危険性がますます高まった。大人の手のひらを楽々と超える大きさのオニヒトデが続々。ダイ バーたちは「早く手を打つ必要がある」と危機感を強めている。24日は関係者の意見交換が行われることになっており、それぞれの立場で取り組めることを出 し合う。連携プレーに期待したい。