八重山毎日新聞
2001年 8月 5日(日) 

9月に対策本部を設置

“赤土流出防止”で石垣市

あす経済団体協議会が政府要請

 石垣市内の経済産業、観光保護などの各種団体で組織する石垣島赤土流出防止協議会(会長・山田隆一石垣市商工会長)は6日から東京に 出向き、農林水産省や環境省、国土交通省などで赤土問題の現状を訴えるとともに対策事業の導入を要請する。今月下旬には大浜長照市長ら市の幹部も具体的な 事業導入を国に求めることになっており、官民一体となった取り組みの効果が期待できそうだ。また、市は9月1日、「赤土防止対策本部」を庁内に設置、全庁 挙げて対策に乗り出すことになった。

 協議会の要請は去る2月28日の「赤土問題を考える市民集会」の決議を受けたもの。4月には県に決議した3項目を求めたが、国には1 項目に絞って要請する。
 要請では「漁業者、農家、観光業者への打撃は深刻」「人類の財産である石垣島沿岸の豊かで美しい自然環境は危機的状況」と改めて窮状を訴え、国・県・市 による赤土対策担当事務所の設置と対策事業導入を求める。
 8日までに3省をはじめ内閣府、沖縄選出の代議士に決議内容に理解を求める。
 一方、石垣市は22日から24日にかけ、民間団体の要請を踏まえた上で▽発生源対策(傾斜の修正など)▽裸地対策▽河口部での沈砂池設置−の3点を訴え る。窮状を訴える協議会の要請とは違い、行政レベルでどこまで具体的な国の対応を引き出せるか、注目されるところだ。
 庁内に設置する対策本部は赤土流出問題が農政、水産、環境保護など多岐の分野にまたがるため、一括して問題を取り扱うことにしたもの。大浜市長を本部長 として短期から長期の対策まで本格的に取り組んでいく。


<官民一体となった運動>

赤土流出問題で石垣島赤土流出防止協議会が6日か ら、大浜長照市長ら市の幹部が22日からそれぞれ国に要請する。協議会で民間団体の代表らが窮状を訴え、それを踏まえた上で市が具体的に対策事業を求める 考えだ。官民一体となった働きかけが国を動かすきっかけとなるのか注目される。特に石垣市は説得力のある要請ができるか、手腕の見せ所だ。