地裁が二度目の視察  「やんばる訴訟」11月結審
2002年10月27日

 本島北部で実施された林道工事や土地改良事業はずさんな工事で、赤土汚染などの環境破壊の原因になっているとして、故吉嶺全二さんら原告18名や支援グループが大田昌秀前知事と稲嶺恵一知事に対し、同事業に支出した公金を県に返還するよう求めた訴訟で27日、那覇地裁(清水節裁判長)が現地を視察した。

 この訴訟は2000年9月、すでに那覇地裁の現場検証が行われていたが、今回は判決前に裁判官らが対象地を再確認するという意味で実施された。裁判関係者や支援者など約60人あまりが参加した。

 午前中は国頭村の辺野喜土地改良区を視察、午後からは大国林道を視察した。農地ではタンカン畑やサトウキビ畑、観葉植物などが主であるが、ほとんど耕作放棄されている。

 原告側は、機能しない沈砂池や朽ちた電照菊用の受電施設などを指摘し「ずさんな計画が環境破壊を引き起こしている」と説明。被告側は「土地を肥やすには時間がかかる」と説明した。

 この訴訟は11月6日の最終弁論で結審され、判決は来年春までに言い渡される予定である。

タンカンが栽培されているが、手入れを怠っている。
辺野喜土地改良区を視察する支援者や裁判関係者。
前回の現地検証では、「わざと下草を刈らず、雑草にも強い苗木を作るために放置」と説明していた茶畑。
今回は雑草に埋もれ枯れっかかっている。
電照菊など形だけで朽ちている受電施設。
雑草に覆われ耕作放棄された農地。