ついに現地検証が実施された!

違法公金支出差し止め請求訴訟(ヤンバル訴訟)
平成2000年9月29日

撮影・ページ責任者
当日30分ほど遅れて10時半過ぎに辺野喜土地改良区の現地検証が始まった。
裁判官3名と書記官そして被告、原告双方の弁護団と原告人や支援者とも総勢で100名余。
農地にはスプリンクラーの設置跡も見られるが水源もなく「欠陥改良地」となっている。機能しない沈砂マスや沈砂池、耕作放棄された農地を検証した。











裁判中は耕作放棄され草で荒れ地となっていた農地が検証当日には開墾され、刈り取った草が農地の中に詰まれている。前日までに国頭村経済課の職員が機械を入れて開墾していたとの目撃者もおり、明らかに国頭村による証拠隠滅の行為であり、このような開墾は他にも数箇所発見された。













沈砂池からの土砂の流出状況を検証するために沢に下りる関係者。

















現在の沈砂池では土砂(赤土)の流出を止めることが出来ず、沢に流出している状況を沢に下り、3ヶ所ある砂防ダムでも土砂の流出を止めることが出来ない状況を裁判官、双方弁護士ともども検証した。














雑草で生い茂る茶畑。
原告弁護士が「草が生い茂り耕作放棄されている茶畑です」と裁判官に説明すると、国頭村経済課の職員は何を考えたのか「これは放置しているのではなく、わざと草を刈らずに生やし強い茶の苗木を作るもので、村としてもそのように営農指導している」と発言、思わず支援者からも苦笑がもれた。じっと茶の葉に触り見詰める裁判官の顔が印象的であった。











午後1時から大国林道奥与那線の現地検証が実施された。
9月の台風で数箇所も崩落を起こしている林道を検証。
毎年のように林道の大規模な崩落は後を立たず、赤土汚染の発生源となっている現状やほとんど交通量も無く、林道利用者が少ない現状などを指摘。
それに対し、北部農林土木事務所の職員はこれらの崩落はみな台風による天災であるかのように強く反論。今後の法廷で争うと説明。











裁判官を前にヤンバルの森に生息する生物の「種の多様性」を説明する伊藤嘉昭先生。
この森にはヤンバルクイナやノグチゲラ、イシカワガエルなど、環境庁のレッドデ−タブックで「絶滅危惧種」に指定されている天然記念物が数多く生息している現状や、パネルを交えて開発による絶滅の危惧を訴えた。