石垣島北部 野底地区の農業法人による農地造成の現状調査

1999年2月17日

撮影:ページ責任者
 海の見える丘の上に、昨年、造成事業が行われた約14ヘクタールの農地。砂糖キビの植え付けが行われている。
 造成地は野底岳のふもとから西浜川や吹通川流域の八ヶ所に分散している。

 造成費用は農業法人の全額自己負担で、7000万円ほどかかっているらしく、地元の農家はサトウキビを生産しても採算は取れないはずだが、と首を傾げていると言う。(ゴルフ場建設の布石ではないかとの憶測もある)
のり面等の種子吹き付けもされておらず、雨が降ればのり面の崩落は免れないだろう。






 同農地沈殿池の第一時槽(二段式になっている)。
ただ穴を掘っただけのもの、貯水、沈殿能力は極めて幼稚なものであり、県赤土等流出防止条例の定めた、沈殿池からの排出基準値200ppmをクリアーすることは不可能であり、同条例の条例違反となることは確かである。

 このままでは次の大雨で沈殿池は崩落して土砂で埋まってしまい、西浜川から土砂が海に流れ出ることになろう。









 上の沈殿槽に続く最終沈殿池、県はこの工事を県赤土等流出防止条例に基づいて図面を審査し、監督しているのか疑問である。

 マスコミ等に発覚してからの県の行政指導は、のり面の吹き付けだけとのことのようだ。だとしたら、沖縄県は調査及び監督責任の不足による怠慢としか言えまい。









 同じく、分散している同農業法人の造成農地。
作物が植えられる形跡はまだ無い。表土の土砂だけが雨に流されている。













 写真(上)の農地の沈殿池。
県は行政指導によって全面的に改修、改善させなければ、県赤土等流出防止条例に違反しているにも関わらず、あまりにも幼稚な沈殿池を県側は無防備に認可していると言えるだろう。
だとすれば、県、石垣市の監督責任は不在な状況と言える。










 かっては白い砂浜だった西浜川の河口。
農地の土砂が河口に堆積して、以前の面影はすでに無くなってしまっている。
かっての白い砂浜を取り戻すこには、気の遠くなるような年月が必用になるだろう。